「子どもたちが楽しみにするような感動的な話をしよう」というコンセプトのもとに、小学校の校長が月曜朝礼で話した87の講話から精選。歳時記、伝記、童話、民話、感動的な出来事、スポーツ、映画、演劇と話材のジャンルは幅広く、「学校だより」や「学級通信」を通して保護者の心にも響く題材として活用できるものが満載です。 <ご利用にあたって>
佐藤きみよ(人工呼吸器使用者)
人工呼吸器をつけて一人アパートに暮らし、週に2、3度は街に出ることについての言葉です。脊髄性筋萎縮症で小学5年のとき自力呼吸が難しくなりました。それからの20数年間は呼吸器と一緒の生活です。「地域の中で生きたい」と病院を出ました。呼吸器使用者としては前例のない冒険です。病院のスタッフ、家族、友人、ボランティア、ヘルパーの理解と支えが夢をかなえました。 寝台に呼吸器を積んで街へ出かけます。好きな映画や展覧会、スーパーにも行くし、本屋では立ち読みならぬ「寝読み」をします。カラオケも。首が自由に動かせないので、手鏡で街を見渡します。しんどいことも多いのですが、「ぶつからないと壁はなくならないから」と。 札幌の雪祭りに5回も行きました。雪像はチラッと見ただけで、募金活動をしていました。セントルイスで開かれる『国際自立生活会議』に招かれていて、その資金づくりのためです。「凍えそうでしたが、5000人ものみなさんに励まされました」と声を弾ませていたそうです。 やる前から、「できません」と逃避を決める人がいます。学校生活で自分をきたえるためにも、成長するためにも、ぜひいろいろ挑戦してほしいものです。 (『心を育てる言葉の贈り物』岩田壽夫著/ 学事出版より)
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