読まれる通信づくりのヒント【第4回】文章編
読みやすく分かりやすい文章はちょっとした工夫や配慮でできる。

内容を分かりやすく伝えるために、文章に工夫を施すことはきわめて重要です。
今回は、読み手に負担をかけず、「読まれる通信」とするための技法を考えてみました。

短い文章で伝える
記事内容を分かりやすく伝える技法として、理想教育財団ホームページ「通信づくりの知恵袋」で、コミュニケーションの達人・藤沢晃治先生は、次の2点を挙げています。
(1)センテンスを短くする。
(2)段落の先頭に、文章全体の趣旨を書く。

まず(1)の、短い文章をという点は、多くの文章作法にある指摘です。藤沢先生は、ワン・センテンスは40文字程度を目安にしています。
長く親しまれている新聞の名物コラム「天声人語」(朝日新聞)「余禄」(毎日新聞)などでは、もっと短くて平均30~32文字程度。外国人からも読みやすいといわれる志賀直哉や川端康成の小説も、ワン・センテンスの平均は33~35文字です。
これはあくまで平均の文字数(句読点などを除く)で、文字数の多いセンテンスも含まれます。長短の文を混合させ、平均してこの程度の文字数にすることで、文章全体にはリズム感が生まれています。30~40文字くらいを目安とすれば、読みやすい文字数ということができるでしょう。

1行が長すぎると読みにくい
ワン・センテンスの文字数と同時に、紙面上の1行の長さにも留意したいものです。
1行が40~50文字と続くと、文字を追うことに疲れ、読む気をそぎます。ワン・センテンスが
40文字であっても、これを1行で流す場合と、16文字2行半で流す場合とで比較すれば、読みやすさの違いが理解できましょう。
また、1行の文字数が長いと、次の行に移る際に、続きの言葉を捜す作業が必要になります。目に余計な負担をかけますから、読み手のことを考えた文章とはいえません。
ただし、1行の文字数が少なすぎても、パラパラした感じを与え、読みにくいものです。
一般新聞は多くの場合、13文字程度ですが、子どもたちにはどれくらいの文字数が読みやすいのか、工夫したいものです。
同じように、改行も工夫したいところです。改行のない文章は余白がほとんどないため、読み手に一段落が文字のかたまりのような印象を与え、圧迫感さえ感じさせます。
3行程度、多くても6行程度で改行していくことが読みやすい文章と言えましょう。
また、記事自体が長い場合、数行の段落ごとに1行の空白をつくると、読み手が一息つくことができ、読みやすくなります。

多くても6行程度で改行を
同じように、改行も工夫したいところです。改行のない文章は余白がほとんどないため、読み手に一段落が文字のかたまりのような印象を与え、圧迫感さえ感じさせます。
3行程度、多くても6行程度で改行していくことが読みやすい文章と言えましょう。
また、記事自体が長い場合、数行の段落ごとに1行の空白をつくると、読み手が一息つくことができ、読みやすくなります。

冒頭に段落の骨子を
次の(2)の「段落の先頭に、文章全体の趣旨を書く」という指摘は「予告効果」と藤沢先生が呼ぶものです。
藤沢先生は、文章全体の骨子を伝える段落が冒頭にあれば、読み手は、真っ先にその文章の目的を知ることができ、情報をすばやく効率的に知ることができると言います。
記事の内容を分かりやすく伝えるという点で、藤沢先生は、箇条書きも勧めています。あえて文章にする必要がない内容については、箇条書きを大いに活用したいものです。

会話や話し言葉の活用を
分かりやすい、伝えやすい文章の技法として、会話(あるいは話し言葉スタイルの文章)を効果的に活用する方法があります。
会話は日常で最も身近なコミュニケーションの手段です。そのために「 」でくくられた話し言葉には、読み手は親しみを感じ、同時にその内容に興味を寄せます。
話し言葉で書くと、書き手にも、日常のおしゃべりと同様、相手にわかりやすい表現をしようとする姿勢が生まれます。
記事の冒頭や、特に注目してほしい内容などで、会話や話し言葉をうまく使ってみてはいかがでしょうか。


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