▼第1回
「学級通信」って、何のためにだすの?
出さなきゃいけないものなの?
通信活動を行っていく上で、最も大切な、いわば「原点」とも言うべき問題です。こういう問いかけを自らに対して、折に触れて発していくことは、とても重要なことだと思います。私の考えはこうです。
何のために学級通信を出すのか? 大目的(大方針)と中目的(中方針)と小目的(小方針)とが考えられるのではないでしょうか。
まず、大方針。これは明らかです。「よりよい教育、よりよい学級経営、より健やかな子どもたちの成長のため」にこそ学級通信を出すのです。これは大前提。絶対に忘れてはならないことです。ここから逸脱してはなりません。
中方針と小方針は、人によって、違います。中方針としては、例えば、「保護者との協力・連携の強化のため」「日々の教育活動をより活性化させるため」「子どもたちの人間関係を育てるため」「不登校やいじめなど学級内の諸問題の解決に資するため」「教師の教育観や教育方針を伝え保護者を啓発していくため」などが考えられるでしょう。つい、「あれも、これも」と考えがちですが、実効性を評価出来る活動にするためには、一つ二つに重点を絞った方がよいと思います。
この中方針達成のため、では具体的にどういう通信を作っていくかというのが、小方針です。例えば「保護者の声を出来るだけ聞き紙面に反映させる」「日々の学習活動の計画や課題や成果を載せる」「子どもたちの学校生活の現実の姿を伝える」「現在話題になっている教育問題を共に考える」などが挙げられるでしょう。これらの小方針は、複数設定されて当然でしょうね。
以上の大・中・小方針の実現を目指して、より具体的な編集方針「見出しを工夫し読みやすいレイアウトにする」とか「デジカメ写真を多用する」「毎号子どもの声を載せる」「3分以内で読める字数で」などが思い浮かんでくるでしょう。
以上から、学級通信は、「出さなきゃいけないもの」ではなくて、「出すことによってより一層教育の目的が達成されるもの」と捉えることが出来ます。