はがき新聞活用レポート(9)
全校生徒による「はがき新聞づくり」を行事化(記事作成:2014年春)
熊本県山鹿市立鹿北中学校 福山 貴英 先生
お詫び:報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります
1972年に開校した鹿北中学校では、2012年から本格的にはがき新聞づくりを開始。文章を書くことが苦手だった生徒の「書く力」が向上する教育ツールとして、月一度の新聞作成を行事化しています。また、はがき新聞を地域社会への情報発信に活用し、その取り組みは地元紙で紹介されるほどの反響があったそうです。
循環型学習とはがき新聞を連動させた指導
2012年2月に日本教育新聞社主催のワークショップに、同校の研究主任・福山貴英先生が参加。そこで、はがき新聞の存在を知り、「生徒が気軽に楽しく取り組めるはがき新聞は、文章力の向上のほか、要約力も身に付く、教育効果の高いツールと実感しました」とのこと。
校長先生の許可のもと、福山先生が講師として先生方の講習を行い、全クラスではがき新聞づくりを実施。継続的に取り組むために、はがき新聞作成日を決めて行事化し、授業に支障が出ないように教科の時間ではなく、朝の自習時間を活用しています。同校が教育研究テーマに掲げる「循環型学習(予習・授業・復習)」と、はがき新聞づくりを連動させている点も特徴です。 「循環型学習では、家庭での予習の定着に力を入れています。はがき新聞も前日までにテーマを知らせ、原稿用紙を配布し、あらかじめ書く内容を考えさせています。その効果もあり、本番では短時間(約20分)で完成できるようになり、作品の質もかなり高まりました。生徒たちが文章を書く抵抗感もなくなってきています」
地域社会の情報発信ツールとして活用
生徒たちの作品はクラスごとにプリントアウトし、情報委員が校内で一番目立つ中央廊下に展示。作品を鑑賞したり、批評し合ったりして、生徒同士のコミュニケーションを深めています。また、情報委員は月間ごとに完成したはがき新聞を市役所にも掲示し、地域への情報発信にも貢献しています。
はがき新聞は、同校と隣接する鹿北小学校とのコミュニケーションツールとしても活用しています。毎年3学期に同小学校の6年生を招いて体験入学を行っていますが、はがき新聞づくりの体験授業も実施。その作品を中学校内に掲示し、在学生に対する新入生の紹介にも役立てています。
●今回のポイント
このレポートの詳細は季刊理想でご覧いただけます。→季刊理想2014春号はこちら