はがき新聞活用レポート(8)
正確な情報を選択し、文章で表現する力が向上(記事作成:2013年冬)
新潟市立新潟小学校 間嶋 雅樹 先生
お詫び:報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります
開校は明治6年。歴史と伝統を誇る新潟市立新潟小学校の教育目標は「明るく伸びる 元気な子ども」。学校の沿道に咲くタンポポが美しいことから「タンポポ学校」とも呼ばれています。同校では2008年からはがき新聞づくりを開始。子どもたちの情報選択力、文章表現力の向上など、大きな成果が得られています。
多様な情報を整理し、伝達する内容を把握
毎年、はがき新聞の制作を授業に取り入れ、指導にあたってきた間嶋先生が最も重要視するのは、正しい情報を選択する力の養成です。もともと同校では、社会科の学習まとめにA4またはB4サイズの新聞を作成していましたが、書く分量が多く、要点をまとめにくいという問題点があったそうです。
「その点、はがき新聞は書くスペースに限りがありますから、しっかりと情報を整理しないと、はがき1枚に収まりません。何が必要で不必要かを見極め、どういう情報を伝達するのか。そうした情報選択力を身につけるようになったことがはがき新聞の一番の効果だと思います」
ノートの使い方を工夫し、入念な下準備を行う
間嶋先生は、ご自身で作成したはがき新聞を手本として指導しますが、子どもたちに徹底して書く事柄を考えさせることから始めます。そのため専用の原稿用紙にすぐに文章を書くのではなく、まずはノートを使って、情報の整理から入ります。自分で伝えたいこと、書きたいことのキーワードやポイントをノートに書き出し、その中からテーマに合った情報を組み合わせて書くように指導しています。
「こうした下準備を行ったほうが、文章にまとまりがつきます。見出しの付け方もうまくなりますし、書くスピードも格段にアップします。当校では、15分を目安に書くように指導しています」
はがき新聞は社会科学習のまとめ、学校行事の思い出、お礼状、卒業記念など、さまざまな用途で活用。作品は児童用、評価用、掲示用と3枚ずつ印刷しています。評価用は教員の手元に置き、「書く力、色使いやビジュアルを含め、どこが上達したのか、どの点に工夫を凝らしたのか、その軌跡を長い目で評価できる」と、生徒の成長度合いを把握できる利点もあると間嶋先生はいいます。
●今回のポイント
このレポートの詳細は季刊理想でご覧いただけます。→季刊理想2013冬号はこちら