はがき新聞活用レポート(6)
情報の要点を見極め、的確に表現する力を育成(記事作成:2013年夏)
千葉県千葉市立花園中学校 栗原 尊紀先生
お詫び:報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります
千葉市内最大のマンモス校という花園中学校では、2012年から2年生の授業ではがき新聞を始めました。研究主任の多田健芳先生から、はがき新聞の存在を知った栗原尊紀先生は「さまざな情報を整理し的確に表現する力を養う教育ツールになる」と実感。生徒の「伝えたい内容をコンパクトに書く力」は確実に向上しています。
内容を簡素にまとめる力を養成
生徒が最初に取り組んだテーマは、「自然教室」と「職場体験」(いずれも総合学習)のまとめ。理想教育財団のはがき新聞事例集を参考に、行事で学習した内容を整理しながら、「出来事の羅列にしないこと」「大事な点に絞って書くこと」を栗原先生は強調しました。
まずワークシートをもとに文章の書き方のポイント、見出しの付け方、レイアウトの仕方などを学習。はがき新聞原稿用紙をA4サイズに拡大した用紙に下書きをして、それから清書しました。
「はがき新聞は文章量が短く、短時間で完成するので、生徒は達成感や充実感を得られます。書くことが苦手な生徒も意欲的に取り組んでいました。当初は文字数が少ないと喜んでいましたが、実践してみて逆に文章量少なさに手こずったようです。しかし、作品を重ねていくうちに、言いたいことをコンパクトに書くコツが身についていきました」と当時を振り返ります。
はがき新聞の優秀作品には賞状を授与
職場体験はがき新聞は、300点以上にわたる作品を学年全体で廊下に一斉展示し、生徒たちが作品を評価し合う機会を設けています。さらに生徒の投票で「優秀作品」を選び、賞状を授与することで、生徒のモチベーションも上がっているそうです。
小林幸司校長は「現代社会でグローバルに活動するためには伝えたいことを的確に表現する能力も必要。はがき新聞は書く力のほか、プレゼンテーション能力の育成にもなるのでは」と期待を寄せます。
2012年は、社会科(2012年の心に残ったニュースと、2013年の決意を表現)や委員会活動(図書委員会による図書紹介)などでも、はがき新聞を積極的に活用。2013年からは、研究テーマに「はがき新聞の活用」を盛り込むなど、1年生から3年生まで学校全体で作品づくりに取り組んでいます。
●今回のポイント
このレポートの詳細は季刊理想でご覧いただけます。→季刊理想2013夏号はこちら