はがき新聞活用レポート(4)
書く力を確実に向上させるはがき新聞(記事作成:2012年冬)
北海道札幌市立東橋小学校 唐澤 俊樹先生、本城 直子先生
お詫び:報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります
東橋小学校では2009年からはがき新聞の作成を教育活動に取り入れ、各教科や行事のまとめに積極的に活用しています。導入当時、国語科などの研究主任を務めていた唐澤俊樹先生は、「文章を書くことが苦手な生徒が上達するきっかけになるのでは…」とスタート。期待通りに子どもたちの書く力は高まっているようです。
小3から作成開始、継続は力なり
唐澤先生の指導方法は「習うより慣れろ」です。担任を受け持つ小学校3年のクラスでは、初めに見出しの付け方や色つけなど、はがき新聞の基本を教え、その後は子どもの作成状況に応じて少しずつ書き方を指導。「実践を積み重ねることにより、自分の考えを文章として表す力や要約する力が少しずつ身につきました」と言います。
子どもたちが5年生に進級したとき、唐澤先生から担任を引き継いだ本城直子先生は、社会科や総合学習のまとめにはがき新聞を活用しました。「はがき新聞を継続していくうちに見出しやレイアウト、色づかいなどを工夫するようになり、2年間の指導で事実を踏まえて自分の感想や意見を書く力が驚くほど向上しました」と本城先生も、はがき新聞づくりの手ごたえを感じています。 この経験を生かしてクラスでは、A4サイズの新聞やグループで壁新聞をつくりましたが、書く分量が多くなっても途中で投げ出す子どもは1人もいなかったそうです。
感想を述べ合いモチベーションを高める
同小学校では、作成した新聞を必ず廊下などに掲示しています。この意味を唐澤先生は「お互いに作品を評価し合って今後つくる際の参考にし、前向きな気持ちが強くなる」と分析し、本城先生は「ほかの子からほめられることで自信になり、今度はもっとうまく書こうという意欲につながる」と評価します。
また、はがき新聞を有意義な教育ツールと実感する両先生は、「4年間継続したことによって身についた力を詳しく分析してみたい」(唐澤先生)、「卒業前には小学校6年間を振り返る集大成のはがき新聞作成したい」(本城先生)と今後の展望を語っています。
●今回のポイント
このレポートの詳細は季刊理想でご覧いただけます。→季刊理想2012冬号はこちら