はがき新聞活用レポート(18)
はがき新聞を活用した交流型授業で書く力が向上(記事作成:2016年秋)
東京都墨田区立小梅小学校 堀口 友紀 先生
注)報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります
東京スカイツリーの近くに立地する墨田区立小梅小学校。5年生を担任する堀口友紀先生を中心に、はがき新聞を授業の教材として積極的に導入し、生徒の文章力の向上やコミュニケーション能力の育成に努めています。最近は、はがき新聞づくりが学校全体にも浸透し、作品を通じた子ども同士の交流も活発になっています。
はがき新聞の実践で記述問題の解答率がアップ
新任教員時代から東京都小学校新聞教育研究会に所属し、新聞を教材として教育に役立てる「NIE」活動に取り組んでいる堀口友紀先生。B4判やA4判の各種新聞づくりと並行して、「いつでも、どこでも実践できる手軽さに加え、すべての子どもが最後まで書き上げるところに魅力を感じて」はがき新聞づくりを開始しました。
今年の5年生は、3年生のころから堀口先生に指導を受けた子どもたち。2週間に1回程度、各教科や学校行事のまとめなどで継続的にはがき新聞を作成。子どもの書く力は着実に向上しているそうです。
「はがき新聞の作成では、まず大事なことから書くように常に指導しています。社会科のまとめでも『書き出しを工夫しよう』『擬人法を使おう』など、国語科の指導を応用できるのも魅力です。子どもたちの文章力や表現力が向上し、学力・学習状況調査におけるB問題(記述式)の解答率も上がっています」
子ども同士のディスカッションを促す交流型授業にも活用
はがき新聞は、堀口先生が推進する交流型授業にも役立っています。その代表例が5年生の社会科授業で、寒い地方(北海道)と暖かい地方(沖縄)を対比して、その地方の特徴を調べる学習です。子どもたちを2グループに分けて、各地域の「気候」「観光」「寒さ(暑さ)対策」「食べ物」などの特性を調査し、意見交換を行った後、はがき新聞を作成。にまとめ、最終的にそれぞれの作品を掲示して1枚の壁新聞に仕上げていきます。
「子ども同士のディスカッションがありますから、教科書や資料集などを読み込み、ネタ探しに躍起になっていました。本当の主体的な学習というものを実感しました。さらに、友だちとの意見交換を通じて、自分が調べていない知識も身につけられる、協働的な学習法としても有効でした」
完成したはがき新聞は、班の中で回し読みをさせて、付箋にコメントを書き入れるなど、作品を通じた子ども同士の交流も活発です。最近は「見出しが的確」など、堀口先生が目指す指導のポイントを押さえながら、上手に批評する子どもが増えているそうです。
●今回のポイント
このレポートの詳細は季刊理想でご覧いただけます。→季刊理想2016秋号はこちら