はがき新聞活用レポート(15)
ジオ学習で学ぶ知識や島の魅力をはがき新聞で発信(記事作成:2015年冬)
大分県姫島村立姫島中学校 上原加代子校長先生
お詫び:報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります
国東半島北部の周防灘に位置する姫島(姫島村)。面積は6.98k㎡、人口は約2000人。村唯一の村立姫島中学校(生徒数38名)では、貴重な地形や地質を持つ「日本ジオパーク」の認定(2013年)を機に、島の地域資源を学ぶ「ジオ学習」を開始。2015年からは、学んだ知識をはがき新聞で島内外に発信しています。
校外への情報発信ツールとして導入
村立姫島中学校で推進している「ジオ学習」。島の地形や地質、歴史や文化など、地域資源を学ぶプロジェクトです。2015年から同学習と連動させて、はがき新聞を授業に導入しました。そのねらいは「本校ではユネスコが進める『持続可能な開発のための教育(ESD)』に取り組んでいます。その1つが校外への情報発信。校内で学んだことを積極的に発信できるツールとして、はがき新聞に着目しました」と上原加代子校長先生。
最初のテーマは「姫島の良さを多くの人に知らせよう」でした。上原校長先生の指導の下、見出しの付け方、写真のレイアウトなど、はがき新聞の構成要素を細かく説明。生徒たちは、島の盆踊りの様子や車エビを使った名物料理の紹介、年2回飛来する渡り蝶「アサギマダラ」の生態など、独自の視点からはがき新聞を作成しました。はがき新聞づくりのやりがいや楽しさを感じると同時に、「島の良さをどのように生かすべきか」を考える機会にもなったそうです。
作品は校内やフェリー乗り場の待合所に展示
それ以来、はがき新聞を各種ジオ学習に連動させて制作。年間14枚のはがき新聞を作成する計画が進んでいます。
作品は校内の廊下のほか、島民や観光客をはじめ多くの人の目にふれる姫島港フェリー乗り場の待合所にも展示。見た人が作品を自由に持ち帰れるように、掲示ポケットに複数枚ストックしています。
「はがき新聞は1枚1枚生徒の個性があり、島民の息遣いや温もりが感じられる作品ばかり。持ち帰って切手を貼り、絵葉書として利用される方もいるようです」(上原校長先生)
姫島村教育委員会の中元一朗教育長は「これまで配布されたはがき新聞は約2000枚。生徒たちの腕前もどんどん上達しています。教育面の効果に止まらず、地域活性化の大きな力にもなっていると思います」と、はがき新聞の学習効果を高く評価しています。
●今回のポイント
このレポートの詳細は季刊理想でご覧いただけます。→季刊理想2015冬号はこちら