はがき新聞活用レポート(13)
はがき新聞の導入で生徒の「書く意欲」が大幅に向上(記事作成:2015年春)
京都府城陽市立深谷小学校 竹島 有香先生、加藤 逸平先生
お詫び:報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります
2014年の2学期からはがき新聞を授業等で活用している城陽市立深谷小学校。早稲田大学文学学術院教授で同校の評議員を務める森山卓郎先生の提案から始まった新聞づくり。2015年は3年生から6年生が熱心に取り組んでいます。文章の構成力をはじめ、書く力がアップするなど、有効な教育ツールとして役立っています。
書くことに対する意識が変化
「書く力」の向上を目指していた深谷小学校では、その対策として森山教授が提案したはがき新聞を授業に導入。竹島有香先生の指導のもと、4年生の国語科の授業で、「ごんぎつね」の学習のまとめに活用したのが始まりです。「子どもたちはしっかり書けるか不安を覚えましたが、書き方をマスターすると1枚目から非常に楽しそうに取り組んでいた姿が印象に残っています」と竹島先生。
それ以降、社会科や理科などの学習の単元まとめ、学校行事のまとめなど積極的にはがき新聞を活用。生徒たちの書くことに対する意識の変化が表れ、「はがき新聞を作成する機会が頻繁にあるのに、生徒たちは『もっと書きたい。原稿用紙をください』とリクエストがあって驚きました。休み時間にはがき新聞を作成する子どもの姿をよく見かけますし、年間80枚も制作した生徒もいました」
同校では作成したはがき新聞を廊下に掲示。子どもたちが作品の優れている点を記入した星型の付箋を貼り合うことで、クラスのコミュニケーションも活発になっているそうです。
文章の構成力が格段にアップ
色付けやイラストの作成など、文章を書く以外にさまざまな要素を盛り込めるはがき新聞。楽しく気軽に書けることが、子どもたちの書く意欲を刺激したのではないかと竹島先生は分析します。
「スペースが決まっているはがき新聞は、いろいろな要素を整理して書く力が必要です。1段目に何を書くか、2段目はどうするか、内容を組み立てて文章を書く『構成力』が身についたと思います」
こうした竹島先生の指導に触発されたのが、同校「学力充実部」の加藤逸平先生。はがき新聞を各学年で実践することを提案し、「はがき新聞は授業の単元や行事のまとめなど、いろいろな場面で活用できるメリットがあります。各学年で工夫しながら、学校全体を挙げて取り組んでいきたい」と積極的に推進しています。
●今回のポイント
このレポートの詳細は季刊理想でご覧いただけます。→季刊理想2015春号はこちら