はがき新聞活用レポート(11)
はがき新聞の継続的な活用で生徒の文章力が向上(記事作成:2014年秋)
千葉県市川市立塩焼小学校 石川 剛士 先生
お詫び:報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります
新聞教育を積極的に推進し、「全国小・中学校・PTA新聞コンクール」でも多くの受賞歴がある市川市立塩焼小学校。はがき新聞を授業に取り入れたのは2012年からです。その2年後、全校生徒によるはがき新聞の作成をスタート。生徒の文章表現力の上達は目覚しく、はがき新聞は学習活動の大きな柱になっています。
作文が苦手な低学年でも楽しく取り組める
はがき新聞を初めて授業に取り入れたのは、当時2年生の担任だった石川剛士先生です。すでにはがき新聞づくりを実践している他校の先生からその効果を聞き、指導方法の工夫で低学年の生徒でも楽しく作成できると判断。最初に取り組んだはがき新聞のテーマは「楽しかった出来事」でした。
石川先生が制作した作品を手本に、見出しや題字の付け方、イラスト作成や色の塗り方など、新聞に必要な要素を1つ1つていねいに指導を受けながら、生徒たちは新聞づくりに挑戦しました。
「低学年の生徒は作文を書くのが苦手。原稿用紙を手にした途端に拒否反応を示す子どもも少なくありませんでした。ところが、はがき新聞は絵を描き、色塗りもでき、文章量も少ないですから、生徒たちは楽しく作成することができました」と当時を振り返ります。
生徒をほめる指導で士気を高める
はがき新聞の指導で、石川先生が何より重視していることが生徒たちへの積極的な声かけです。特に筆の遅い子ども、途中で筆が止まりがちな生徒には、作成中にさまざまなアドバイスを送ります。こうして背中を後押しすることで生徒の筆が進むようになります。また、完成作品を生徒同士が批評し合うことも実践しています。
「批評ではなく、ほめることが基本です。優秀な作品だけではなく、全生徒の作品をモニターに映し、どこが優れているか、頑張った点はどこかをみんなで語り合うことで、子どもたちのモチベーションは高まります。展示作品から新聞の構成や主題、言葉の表現など多くのことを学ぶこともできます。見出しの付け方に擬音語を入れたり、感情を表す言葉を使ったり、書く力が確実に向上しています」
2014年は運動会をテーマにした全生徒の作品を廊下に展示。全校一丸となってはがき新聞の普及に力を注いでいます。
●今回のポイント
このレポートの詳細は季刊理想でご覧いただけます。→季刊理想2014秋号はこちら