はがき新聞活用レポート(1)
基本型の習得を徹底させた指導(記事作成:2012年春)
東京都目黒区立油面小学校 鈴木 裕二 先生
お詫び:報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります
2015年に開校90周年を迎える油面小学校。
「NHK全国学校音楽コンクール」で2年連続(2009、2010年)全国第1位に輝くなど文化活動が活発です。同校は「NIE教育」(教材に新聞を活用)を実践する鈴木裕二先生の指導のもと、生徒たちが積極的にはがき新聞づくりに取り組んでいます。
はがき新聞の上達は基本型のマスターから
鈴木先生がはがき新聞を指導して今年で7年目。上達のポイントに「基本の徹底指導」を挙げます。
「レイアウト、見出し、本文、カットを組み合わせた、新聞の基本的な『型』をていねいに指導することで、生徒たちは読みやすいレイアウトや記事の書き方などを学習できます。基本型を一度マスターすれば、壁新聞やB4判の新聞にも応用が利きます」
基本要素の中では鈴木先生が「究極の要約」と語る見出しを重視。本文の中から「読者が読んでみたい」と思うキーワードを複数選び、それをベースにした見出しづくりを指導しています。
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明確な評価ポイントの設定
完成したはがき新聞の評価は難しいものです。鈴木先生は「教科の評価項目に基づいて作品を評価することが大切」といいます。
「まず重視するのは、いかにていねいに意欲的に書いているか。次に調査事項に対して自分の意見がバランスよく書けているか。そして、書く力やカット、見出しの出来もチェックします」
評価した作品は、生徒が目にして意見交換できるようにと、教室や廊下のボードなどに掲示します。担任以外の学級でも出前授業として新聞づくりを指導。授業とは関係なく、自主的に作成する生徒が増えているそうです。
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鈴木先生が指導した6年生は「はがき新聞」、「壁新聞」、「歴史新聞」の作成が評価され、2011年度「第60回全国小・中学校・PTA新聞コンクール」で最優秀賞(学習新聞の部)を受賞。授業のまとめ学習のほか、生徒の個性を存分に発揮できる「はがき新聞づくり」が着実に浸透しています。
このレポートの詳細は季刊理想春号でご覧いただけます。 → 季刊理想2012春号はこちら