第4回「はがき新聞」ワークショップ

2017年2月18日(土):公益財団法人理想教育財団・研修室

開催テーマ

豊かな学びを期待できる「はがき新聞」

講師東京都小学校新聞教育研究会・事務局長 墨田区立小梅小学校・主幹教諭

堀口 友紀 先生

 当財団は、学習課程における「言語活動の充実」を目的とし、子どもたちの「思考力・判断力・表現力」を育み、「考える力」「書く力」「創造力」を高める方法のひとつとして、「はがき新聞づくり」を推奨しています。本年で「はがき新聞」事業を開始してから10年目となり、現在では約1,500校の小中学校で「はがき新聞」を国語・社会・総合をはじめ、多くの教科の授業に活用されています。各種調査により「はがき新聞づくり」が、子どもたちの言語活動の育成に効果があることが明らかになってきています。
 そこで当財団では、「はがき新聞を今後の授業で採用したい」「もっと効果的なはがき新聞の使い方を知りたい」とお考えの先生方を対象に、「はがき新聞」ワークショップを昨年より開始しました。長年にわたり「はがき新聞づくり」を授業に取り入れ、様々な成果を重ねてこられた先生を講師としてお招きして開催するこのワークショップは、参加された先生方に「はがき新聞」を用いた有効な授業の進め方のノウハウを伝授していただくとともに、会場で「はがき新聞づくり」を体験していただくイベントで、今回で4回目となりました。

 ワークショップ開始に先立ち、当財団の酒井純司顧問があいさつに立ち、理想教育財団設立の経緯や趣旨・目的、これまで行ってきた活動内容について説明を行いました。また、財団事業のひとつである「はがき新聞」普及の意義について話し、さらに「2020年からの新教育指導要領に記されている“書く力”の向上に加えて“語彙を増やす力”を育てるうえでも役に立つツールであることが判明しました」そのうえで「参加の先生方には本日のワークショップで『はがき新聞づくり』を実践していただき、来年度の授業に活かしていただきたいと思います」と述べ、講師の堀口友紀先生を紹介しました。
 堀口先生は国語の先生で、当財団が「はがき新聞」事業を開始した当初より授業に取り入れ、早い段階から「『はがき新聞』は子どもたちの書いて伝える力を伸ばします」と教育効果を体感されていました。最近では、季語を加えた五・七・五調の俳句を生徒たちにつくらせて、その句を「はがき新聞」に大見出しとし、他のスペースに自分のつくった句に込めた思いなどを文章にして書かせるという授業を行っているそうです。そこでまず、参加された先生方1人ひとりに、「はがき新聞」についての経験と俳句についての考えを述べてもらう形での自己紹介をしていただくと、会場の空気は一気に和みました。

 まず、ワークショップは堀口先生の経験に基づき、「なぜ、はがき新聞!?」「はがき新聞は○○に使え!」をテーマとした説明から、「新聞づくりの工夫」「見出しを付けるコツ」といった実践的なノウハウ解説など、多岐にわたる内容で「はがき新聞」の特長を紹介されました。堀口先生の「はがき新聞」の活用範囲は幅広く、教科の学習としてだけではなく、子どもたちには移動教室の感想、卒業式の来賓者への招待状なども、はがき新聞で書かせているそうです。
 また、「はがき新聞」は「書く力」の育成・向上だけでなく、子ども同士が話し合って考えたり、お互いの作品の感想を言い合ったりすることにより、対話的な学びの実現にも大いに役立っていると堀口先生は話します。「はがき新聞づくり」をめぐるこうした子ども同士の協働作業は、ひいては学級経営の向上にもつながるとのことでした。参加者の先生方はこれらの貴重な講義に、大きくうなずきながら耳を傾けていました。

 途中5分間の休憩をはさみ、先生方の「はがき新聞づくり」開始となりました。今回のテーマは、タイトルを「俳句新聞」とし、最初に各自が俳句をつくることになりました。自己紹介でも「俳句は自分でつくったことがないし、よくわからない」という声が多かっただけに、五・七・五になるかどうか指を折って数えたり、スマートフォンで季語を調べたりと、戸惑いながらも懸命に取り組む先生の姿が見られました。
 俳句づくりの時間が終了すると、続いて自作した俳句から一句を選び、それを大見出しとした体裁での「はがき新聞づくり」となりました。俳句の創作意図を伝える文章やイラストを創意工夫しながら書き加えていき、約30分没頭して全員が完成しました。参加した1人ひとりの作品がスライドにて全員に紹介され、作者自身が自作の句を詠み、コメント。
「限られた時間内で仕上げるのは、やってみると難しかったです」「はがき新聞は書く分量が少なくて、これならば子どもでも入りやすいですね」「子どもが自由に発想できるように支援したいと思いました」といった参加した先生方の感想の声に対し、堀口先生は「書く力を身に付けるには、早く考えるとことも大切ですが、同時にじっくり考えることも必要だと思います」と講評し、第4回「はがき新聞」ワークショップは終了しました。

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