第4回理想教育財団教育フォーラム

2016年1月24日:東京都中央区「時事通信ホール」

第1部 特別講演

学習指導要領改訂の方向性 ―アクティブ・ラーニングとは―

講師文部科学省初等中等教育局 視学官

田村 学 氏

第2部 基調講演とシンポジウム

基調講演 言語活動をアクティブに展開するには ―はがき新聞の活用を考慮して―

講師 十文字学園女子大学教授(前文部科学省教科調査官(国語)

冨山 哲也 氏

シンポジウム はがき新聞の実践とアクティブな学び

シンポジスト 市川市教育委員会教育センター指導主事  杉本 生美 氏
群馬県桐生市立清流中学校教諭      宮前 嘉則 氏
佐賀大学文化教育学部教授        達富 洋二 氏
コーディネーター 早稲田大学文学学術院教授        森山 卓郎 氏

子どもたちの言語活動に有意義な「はがき新聞づくり」

 当財団は、学習課程における「言語活動の充実」を目的に、子どもたちの「思考力・判断力・表現力」を育成し、また「考える力」「書く力」を向上させるため「はがき新聞づくり」を推奨しております。2015年12月末現在、「はがき新聞」を授業で実践している小中学校は約1000校にのぼり、国語・社会・総合をはじめ、多くの教科での活用が報告されています。財団の研究組織「はがき新聞研究会」では、早稲田大学文学学術院教授・森山卓郎氏のご指導のもと、「はがき新聞づくり」と教育効果に関する調査研究を進め、その結果、子どもたちの言語活動に有意義であることが判明いたしました。
 このような「はがき新聞の教育効果」を多くの教育関係者の方々に広く知っていただきたいと、当財団では教育界で活躍されている先生、授業で「はがき新聞づくり」を実践している先生を講師に招き、「教育フォーラム」を開催しております。第4回目の当フォーラムは、特別講演と基調講演・シンポジウムの2部構成、約5時間のプログラムで、参加者は250名を数え、会場は満員状態の大盛会でした。
 会場ロビーには、小中学生が作成した「はがき新聞」の実例を多数展示。参加者は講演前・休憩時間に熱心に見入っていました。開会にあたり当財団の酒井純司専務理事が「はがき新聞を何らかの形で取り入れている実践校が増えています。今後も積極的に財団として無償の教材支援を継続してまいります。今日は長時間の勉強会になりますが、みなさんと有意義な時間を過ごしましょう」とあいさつ。続いて、馳浩文部科学大臣の祝電が披露され、フォーラム第1部がスタートしました。

第1部は田村氏の「学習指導要領改訂の方向性 ―アクティブ・ラーニングとは―」と題した特別講演。

 アクティブ・ラーニングとは、能動的な学習を意味し、課題の発見と解決に向けて子どもたちが主体的・協働的に学ぶこと。講演では、深い学び・対話的な学び・主体的な学びをベースに、社会に開かれた教育カリキュラム、アクティブ・ラーニングの視点による授業改善、音声言語を中心とした対話や文字言語を中心とした振り返りを通して「学びに向かう力(意志)」の育成などについて説明。子どもたちの「学習したあとの手応え感覚(ポジティブ感情)が重要」と力説されました。

第2部は冨山氏の基調講演
「言語活動をアクティブに展開するには ―はがき新聞の活用を考慮して―」からスタート。

 冨山哲也氏が国語力(読解力)の低下を改善する言語活動の充実、言語活動の現状分析と今後の方向性を解説。その上で言語活動における「はがき新聞」の活用と有効性について、中学生が作成した実例をモデルにわかりやすく分析しました。子どもたちの「読む力」「考える力」「書く力」の向上を目指すには、「国語教科だけではなく、あらゆる教科における『はがき新聞』の可能性を説明。それが言語活動の質的向上につながります」と結びました。

 休憩後、シンポジウムに先立ち、森山卓郎氏がアクティブ・ラーニングと学力論の動向、21世紀型学力観、コンパクトに書く活動などを通して「はがき新聞」の教育効果を解説。続いて、杉本生美氏が書くことが苦手な子どもが書けるようになった「はがき新聞づくり」の体験指導の実例を、はがき新聞を国語科学習で実践している宮前嘉則氏は生徒の「文章をコンパクトにまとめる力」が確実にアップした学習例を紹介。達富洋二氏は生徒の自主性と主体性を重視したグループ学習の必要性を提起。実際の新聞記事や新聞の投書を教材にした短文作成の活用例などを提示。
 その後、田村氏と冨山氏が参加して、言語活動に関するシンポジウムが展開されました。

 約5時間のロングランでしたが、参加者は熱心にメモを取り、講演の内容に相槌を打つなど、充実したフォーラムとなりました。

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