第3回理想教育財団教育フォーラム
2015年8月30日:大阪市北区「大阪第一ホテル」(マルビル)
プログラムⅠ 基調講演 | |
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単元を貫く言語活動とはがき新聞 | |
講師 | 文部科学省初等中等教育局 教科調査官 水戸部 修治 先生 |
プログラムⅡ シンポジウム | |
言語活動の充実へむけて――はがき新聞などのコンパクトテクストの利用―― | |
講演者 |
文部科学省教科調査官 水戸部 修治 先生 東京学芸大学専任講師 細川 太輔 先生 大阪府小学校国語科教育研究会副会長 德永 加代 先生 佐賀大学文化教育学部教授 達富 洋二 先生 |
司会 | 早稲田大学文学学術院教授 森山 卓郎 先生 |
1984年の設立以来、当財団では子どもたちの豊かな人間性を育成するため、学校におけるよりよい教育方法を模索・探求し、現場の最前線に立つ先生方のお手伝いに努めてまいりました。特に国語教育においては、自分の考えをコンパクトテクスト――短くまとまった文章――で表現することを重要と考え、「考える力」「書く力」を高めるためのツールとして「はがき新聞」の作成を推奨してまいりました。「はがき新聞づくり」がいかに子どもたちの思考力・判断力・表現力を育み、言語活動の充実に有効なツールであるかは、早稲田大学文学学術院教授・森山卓郎先生の調査研究によって明確になり、さまざまな形で子どもたちの「考える力」「書く力」の進化成長が促進されています。
このような成果を踏まえ、当財団では教育界で活躍されている先生方をお招きし、各先生が取り組まれている研究および現場での実践を通した「はがき新聞」活用の意義、位置づけをテーマとした「教育フォーラム」を大阪で開催いたしました。本フォーラムは今回で第3回目を迎え、プログラムは基調講演・シンポジウム・質疑応答の3部構成で、来場者は230名と予想を超える盛会となりました。開会に先立ち当財団の羽山明理事長が「大変多くのご参加に心より感謝申し上げます。本フォーラムが皆様にとって有意義な時間となりましたら幸いです」とあいさつを行い、プログラムはスタートとなりました。
文部科学省教科調査官の水戸部修治先生による基調講演は、「単元を貫く言語活動とはがき新聞――アクティブ・ラーニングを具体化した授業の在り方――」をテーマにお話をしていただきました。
講演では「課題の発言と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習」(アクティブ・ラーニング)の説明がありました。また、国語科における単元を貫く言語活動による授業づくりを推進するとともに、実際に行われた授業の動画を交えながら具体的な指導法を紹介。先生のわかりやすい説明に、参加者は熱心に耳を傾けていました。
また、単元を貫く言語活動を推進するうえでの「はがき新聞」のメリットとして、コンパクトな言語活動ツールであることと相手や目的の明確化を挙げ、アクティブ・ラーニングを浸透させる意味でも「はがき新聞」は有効な言語活動ツールであると賞賛されていました。
シンポジウムでは司会の森山先生のほか、講演者として各方面で言語活動教育に関する実践・研究活動に力を尽くされている4名の先生による報告と「はがき新聞」の活用効果について、それぞれ以下の内容でお話がありました。
- 森山先生:コンパクトに書く取り組みの必要性――アクティブな学びとしての「はがき新聞」――
- 水戸部先生:単元を貫く言語活動としての「はがき新聞」の活用ポイント
- 細川先生:「はがき新聞」という学習環境~21世紀型学力を育てる
- 德永先生:「はがき新聞」を活用した本の紹介活動
- 達富先生:単元学習の中のコンパクトライティング グループラーニングへの期待
先生方からの報告後、休憩をはさんで会場の参加者との質疑応答となりました。参加者の大多数は教育の現場で子どもに接する先生だけに、日頃の授業に即したさまざまな内容の質問が活発に上がりました。コンパクトテクストや「はがき新聞」づくりに加え、達富先生に対するグループワークの質問が多かったのも印象的でした。1つひとつの質問に対する講演された先生からの丁寧な回答に、参加者は納得の様子でした。
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