学級通信なんでも相談室

第7回
通信づくりに生かす情報収集法は?

通信に載せる題材やテーマは見つかっても、いざ書き始めてみると、なかなかうまくまとめられない、生き生きした文章にならない、どうしたらみんなに読まれる内容の豊かな記述ができるのだろうか、という悩みを持っている人が少なくありません。今回は、通信づくりに生かす「取材」について考えてみたいと思います。

●感度のよいアンテナを
通信のテーマとしてどういう内容が考えられるかについては、概略を第2回「学年・学級通信に何を書くか?」で述べました。具体的には、「常時観察、常時取材」の姿勢が大切です。日常の学校生活、学習や子ども同士の関わり、地域や家庭での話題、広く世間で生起する教育問題などについて、常に関心と好奇心を持って見聞きし、「これは」と自分のアンテナにひっかかった事柄について通信のテーマとして取り上げます。ふだんから、自分の取材アンテナの感度を研ぎ澄ますよう努力することがまず肝要です。

●取材=情報収集は、「三現主義」で
テーマが見つかったから、すぐに内容のある記事が書けるわけではありません。そのテーマを取り上げる視点、実態、問題点の整理、主張や課題の「投げかけ」が、内容の成否を決めます。しかし、これらは、筆者の頭の中で形づくられるものではありません。いや、頭の中だけでこね上げられたものは、空疎で説得力を持ち得ません。血の通った内容にしていくには、取材=情報収集が不可欠です。

この取材に際しては、「三現主義」ということを強調したいと思います。「三現」とは、工学院大学の畑村洋太郎教授が提唱されている言葉で、「現地」「現物」「現人(げんにん)」のことを指します。つまり、自ら体を動かして「現地」におもむき、自分の眼で「現物」を観察し、「現場にいる人」=当事者から直接話を聞くことです。この三つから得られるものは計り知れません。

教室や職員室の中で、人づてに得た情報では得られない発見があります。何よりも、実感的・共感的に物事を認識することができます。何が真実か判らなくなった時には、常に「現場に立ち返る」こと。これは、警察の捜査でも、新聞記者の取材でも、鉄則中の鉄則と言われています。通信づくりも例外ではありません。インターネットをはじめとした高度に情報化された社会、バーチャルな間接的な情報ばかりが真実の如くに飛び交う時代だからこそ、現場の大切さを一層強調したいと思います。