ブックタイトル季刊理想 Vol.129
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季刊理想 Vol.129
18 ◆ 季刊理想 2018 秋号 ●子どもたちが作った作品 ● ●今回のポイント●①活用の目的・友だち(他者)に関心を持って接し、学び合いを通 して互いに成長する。・ 自分の思い(意志)をよりよく伝える。②評価の規準・ 伝えたいことが書けているか。・ 友だちの作品の良いところを見つけることがで きたか。③活用の機会・ どの教科・領域でも、どんな場面でも、有効と考 えられる機会に活用する。ず教室に掲示し、友だちの作品の優れた点を評価し合うほか、後輩の子どもたちが(数年後に)学習する際の資料としても使われます。個人ノートと違って、多くの人の目に触れることになるので、相手意識を持って、みんな字を丁寧に書くようになりました。中には、作品に描いたイラストが友だちにほめられたことが自信になって、毎日の学習・生活態度が劇的に前向きになった子どももいます」(富永先生)1年生でも実践できる 同校でのはがき新聞の取り組みは、富永先生も所属する同校NIE部会の働き掛けもあり、全学年で活発に進められています。 富永先生自身も、これまで5、6年生を中心に、はがき新聞の指導を行ってきましたが、今年度、約20年ぶりに1年生を担任することになったのを機に、同学年でも積極的に活用しています。名作『きつねの窓』をもとに、2枚のはがき新聞を組み合わせて作成した作品(A4判・6年生)はがき新聞を作成する1年生班のメンバーと行った「読書座談会」を新聞に(A4判・6年生)「算数新聞」で図形の拡大・縮小を表現(A4判・6年生)社会科見学の内容を踏まえ、「事実」と「考え」に分けて文章を作成(A 5 判・6年生) 7月上旬、先生のクラスを訪問すると、国語科の「すずめのくらし」の学習で調べたすずめの秘密を、はがき新聞に書いて、家族に紹介する授業が行われていました。先生の指導に従って、子どもたちは「すずめは何をしているのでしょう」(質問)、「すずめは〇〇〇〇をしているのです」(答え)という文体を使いながら、調べたことを文章にまとめていきます。「1年生にしては、難易度が高い取り組みですが、少し背伸びをするぐらいの実践の方が効果が高い。低学年からはがき新聞を書くことで、早くから文章力が鍛えられます」(富永先生) 富永先生に同校でのこれからの取り組みの抱負をお聞きすると、「『新聞』と聞くと『時間が掛かる』『指導が難しい』と考える先生方も少なくありませんが、はがき新聞ならではの有効性や利便性をうまく伝えて、さらに実践者を増やしたい」と語りました。