ブックタイトル季刊理想 Vol.124

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概要

季刊理想 Vol.124

18 ◆ 季刊理想 2017 夏号● ● ● 児童たちがつくった作品   ●今回のポイント●①活用の目的・新聞記事を読んで要約したり、感想を短くまとめた りする活動を通して、児童の「書く力」を伸ばす。・新聞記事から見つけた言葉を使って俳句を作る活動 を通して、「ことば」に着目させる。・できあがった俳句を発表するなど交流する活動を通 して、コミュニケーション能力を高める。②評価の規準・新聞記事を読んで要約することができたか。・新聞記事に書かれてある冬の言葉に着目し、それを 使って俳句をつくることができたか。・友達との交流を深めているか。③活用の機会・教科や行事などのまとめ。られたようです。 また、完成した作品は「岩手県小中学校新聞コンクール(岩手県新聞教育研究協議会)」に応募したところ、「はがき新聞の部」で最優秀賞を受賞。子どもたちも大いに自信がついたといいます。 最後に一連の実践を行った教育効果について菅原先生にお聞きすると、「新聞教育と連動した実践を行ったことで、子どもたちは普段から新聞を、関心を持って読むようになりました。特に地域の話題を扱った記事には熱心に目を通す姿をよく見かけるようになりました。 併せて、書くだけでなく、発表する場合にも、伝えたいことを順序良く、論理的に説明することができるようになったのも大きな成果でした。コミュニケーション能力が総合的に上がったのではないかと思います」と話されました。俳句を交えたはがき新聞の作成に取り組みました。理想教育財団の俳句専用原稿用紙を用い、左のコーナーに俳句を、右側にその背景や思いを70~80文字で書き込みます。 この取り組みのユニークな点は、これまで進めてきた新聞教育の視点を存分に生かしているところにあります。事前に俳句のテーマやカギとなる言葉を、新聞記事から探すことを申し合わせました。「子どもたちは自宅から新聞を持ち寄るなどして、思い思いに冬の言葉を探して、記事をスクラップしたり、分からない言葉を辞書で調べるなど、授業の前から主体的に取り組んでいました」 その上で、授業では事前に調べた冬の言葉を効果的に使った俳句づくりに挑戦しました。一関市は俳人・西村聴雨の故郷でもあり、俳句が盛んな土地柄。年に一度、地域の愛好家に俳句の作り方の指導を受けていることもあり、子どもたちは苦労せずに、季節感あふれる俳句をつくり、その背景も書き上げていったといいます。授業は2時間でしたが、ほとんどの子どもたちが作句からイラストの作成・色塗りまでの全工程を、既定の時間内に完成させることができました。 子どもたちからは「新聞にはいろいろなヒントがあるって改めて実感」「こんな俳句の作り方もあるんだ」といった感想が寄せられたということです。コンクールで最優秀賞を受賞 昨年度は、行事や総合的な学習のまとめを含め、トータルで4回ほどはがき新聞を作成。書き上げるごとに、子どもたちは作品をもとに級友の前で発表を行ったほか、廊下にも掲示しました。クラス内だけでなく、ほかの学年の子どもたちも熱心に作品を観賞する姿が見新聞記事をもとに作成したはがき新聞