ブックタイトル季刊理想 Vol.122

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概要

季刊理想 Vol.122

季刊理想 2016 冬号 ◆ 17● ● ● 生徒たちがつくった作品 ● ● ●はがき新聞活用レポート● 戦後間もない昭和22年に開校し、来年度創立70周年を迎える町田市立鶴川中学校。平成14年に新校舎が落成して以降、「教科教室型」(教科ごとに専用教室を設置)という特色あるシステムを採用しています。今年、はがき新聞を初めて実践し、書く力の育成などにつなげています。受験を控えた3年生でも実践可能 今年の9月にはがき新聞を活用した授業(3年生・国語科)を実施した町田市立鶴川中学校。同校では有志の先生方を中心に、従来から新聞教育を活発に進めてきましたが、今回はがき新聞の作成に挑戦しました。指導した山田慎一先生はその経緯を次のように語ります。「新聞教育は書く力の育成など、さまざまな効果が期待できる学習法の一つ。その反面、ある程度の時間を要するため、頻繁に行うことはできません。特に受験を控えた3年生においては、授業時数の確保が難しいという課題がありました」 そこで、山田先生が着目したのがはがき新聞でした。昨年、校内で行われた「はがき新聞研修会」に参加したことが、その契機になったと言います。「通常の新聞制作に比べて、圧倒的に短い時間で実践できるのがはがき新聞の作成に初めてチャレンジ実践を通じて、ものの見方・考え方が深化東京都町田市立鶴川中学校山田 慎一先生はがき新聞の魅力。これなら、3年生でも指導計画に沿った授業を無理なく行えると考えました」全5時間の授業実践 今回の取り組みは国語科における和歌の学習(全5時間)。「和歌に込められた心情や情景を捉え、自分の感じ方や考え方を、筋道を立てて書くこと」を目標に授業は進められました。 単元の構成としては、まずはじめの2時間で三大和歌集について理解を深める授業を実施、古今和歌集仮名序の朗読なども行いました。次いで3時間目に、三大和歌集の特徴を復習するとともに、気に入った和歌を選び、印象に残る表現を踏まえて意訳。そして、4時間目に、生徒たちはいよいよはがき新聞の作成に挑戦しました。 4時間目の授業では、まず、山田先生が事前に作成した作品を参考モデルとして掲示。併せて「選択した和歌の意味と、それについて自分が感じたことをまとめる」(トップ記事)、「自分の興味に沿って、作者や表現、情景などについてまとめる」(セカンド記事)など、はがき新聞に書く要素を確認しました。作成段階から積極的に「交流」 はがき新聞の作成に当たっては、参考資料として、市品ばかり。作品の世界観に合わせて、レイアウトを工夫する生徒も25