ブックタイトル季刊理想 Vol.122
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季刊理想 Vol.122
広島市立五日市南中学校季刊理想 2016 冬号 ◆ 13図2)あるクラスの学級力レーダーチャート 図1)中学生版学級力の構成領域1 「達成力」(目標、改善、役割、団結)領域2 「自律力」(主体性、時間、運営、けじめ)領域3 「対話力」(聞く姿勢、つながり、積極性、合意力)領域4 「協調力」(支え合い、修復、感謝、協力)領域5 「安心力」(認め合い、尊重、仲間、平等)領域6 「規律力」(学習、生活、整理、校外)1009080706050403020100規律力自律力安心力対話力達成力協調力 子どもたちが自ら学級づくりに参画する、新たな学級経営システム「学級力向上プロジェクト」(開発者: 早稲田大学教職大学院教授田中博之先生)。いじめがない、安心できる学級づくりに向けて、同プロジェクトを実践する学校も増えています。今回は、2年前から本格的に取り組み、学力アップなど、さまざまな成果を挙げている広島市立五日市南中学校の実践事例をご紹介します。3年計画でプロジェクトを推進 平成26年度から学級力向上プロジェクトを本格的に導入した広島市立五日市南中学校。前年度に赴任された藤川要造校長先生は、その決断の背景を、次のように語ります。「当時は問題行動が多発し広島県『小・中学校生徒指導集中対策指定校』の指定を受け多くの対策に取り組む日々でした。こうした状態では、いくら生徒たちに力があっても、安心して勉強したり、部活動に取り組むことは難しい。頑張りたい生徒が頑張れる環境を整えるためにも、すべてのベースである『学級』の立て直しが重要と判断しました」。 同中学校では課題であった学力アップに向けて、その2年前から「誤答分析」をメインに据えながら、学級力向上プロジェクトにも取り組んできましたが、この年度から同プロジェクトにさらに力を傾注する方針に転換。まずは3年間をめどに腰を据えて取り組むことになりました。学級力向上プロジェクトとは何か 藤川校長先生が着目した「学級力向上プロジェクト」とはいかなるものなのか。まずはその根幹となる「学級力」の概念から見ていきます。学級力とは「学び合う仲間としての学級をより良くするために、子どもたちが常に支え合って目標にチャレンジし、友だちとの豊かな対話を創造して、規律を守り安心できる環境のもとで協調的な関係を創り出そうとする力」を指します。中学校では6領域、24項目から形成される概念です(図1参照)。 プロジェクトは、この学級力の水準がどの程度かを確認するために、クラス全員を対象にした「学級力アンケート」を実施するところから始まります。その後、その結果を図示した「学級力レーダーチャート」(図2参照) でクラス全員が共有・診断した上で、数値が低い領域・項目などについて、改善に向けたアイデアを話し合い(「スマイルタイム」)、具体的な改善行動に落とし込んでいきます(「スマイル・アクション」)。この一連の活動を、1年間のR-PDCAに沿って、意図的・計画的に実践していきます。生徒たちが主体的に学級づくりに邁進学級の安定化が学力向上をもたらした藤川 要造校長先生広島市立五日市南中学校