ブックタイトル季刊理想 Vol.121
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季刊理想 Vol.121
季刊理想 2016 秋号 ◆ 17はがき新聞活用レポート● 平成24年5月に開業した東京スカイツリーの目の前に立地する墨田区立小梅小学校。「安全・安心・学び」を教育の基軸に据え、「笑顔で迎え、満足で帰す」学校を目指しています。近年ははがき新聞の実践を進め、児童の書く力の向上やコミュニケーション能力の育成に努めています。全員が書き上げられる点が魅力 小梅小学校ではがき新聞の実践に積極的に取り組むのは、今年5年生を担任する堀口友紀先生。新任教員時代から、東京都小学校新聞教育研究会に所属し、新聞を教材として教育に役立てる「NIE」活動に尽力してきました。これまで、B4判、A4判を中心に、各種新聞づくりを進めてきましたが、近年はこれと併せて「はがき新聞」も実践するようになりました。「従来は単元ごとに学習内容をB4判の新聞にまとめていましたが、さすがに近頃はそのための時間を確保するのが難しくなりました。そこで、本格的に導入したのが、以前からその存在を知っていた、はがき新聞です。『いつでも、どこでも』点を、B4判の『学級新聞』にうまく応用できるようになってきました」交流型の授業を活発に ここ数年は、単に学習内容をまとめるだけでなく、子どもたち同士のディスカッションを交えた、交流型の授業も推進しています。その代表例が5年生の社会科における、寒い地方(北海道)と暖かい地方(沖縄)を対比させながら、その特徴を学ぶ授業。子どもたちを二つに分け、各地域の特性(「気候」「観光」「寒さ(暑さ)対策」「食べ物」など)を調べ、意見交換を行った上で、はがき新聞にまとめます。最終的にはそれぞれの作品を張り付けて、1枚の壁新聞に仕上げていきます。「あらかじめディスカッションすることを伝えていますので、子どもたちも教科書や資料集などを読み込んで、ネタ探しに躍起になります。本当の主体的な学習とは、こういうものなんだと実感したほど、みんな熱心でした。さらに、友だちとの意見交換を通じて、自分が調べていない知識も身につけられる。協働的な学習法としてもはがき新聞を用いた交流型授業の実践コミュニケーション能力の育成にも有効東京都墨田区立小梅小学校堀口 友紀先生実践できる手軽さに加え、すべての子どもが最後まで書き上げられるところに、魅力を感じています」記述式問題の解答率が上がった 今年の5年生は、堀口先生に3年生のころから指導を受けた子どもたち。2週間に1回程度、教科や行事のまとめなどで、継続的にはがき新聞を作成してきました。実践歴3年に加え、併行的に短作文の作成に継続して取り組んでいることもあり、子どもたちの書く力は着実に上向いているといいます。「はがき新聞はまず何を伝えるのかを明確にしないと、うまくまとめることができません。そこで、まずは大事なことから書くようにと常に指導しています。また、たとえ社会科のまとめであっても、『書き出しを工夫しよう』『擬人法を使おう』など、国語科の指導を応用できるのも魅力です。おかげで、子どもたちの書く力・表現力も向上、学力・学習状況調査におけるB問題(記述式)の解答率も上がっています。最近は、はがき新聞で学んだ24