ブックタイトル季刊理想 Vol.120

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概要

季刊理想 Vol.120

6 ◆ 季刊理想 2016 夏号生徒や保護者の反応がモチベーションに。「手書き新聞」のスタイルを今後も貫きたい●岐阜県岐南町立岐南中学校(現・岐阜市立岩野田中学校)  安田 英士校長先生ーーまずは受賞のご感想からお願いします。 およそ四半世紀前に、新聞部の顧問を担当して以来、私は一貫して手書き派です。今やパソコンが主流となる中で、もはや「手書き新聞」は化石のような存在だと考えていましたので、最優秀賞を受賞できるとは思いも寄らないことでした。今はただただ驚いています。ーー通信をつくる上で、どのような点に注  意していますか? 校内では学級通信や学年通信、学校だよりなど、さまざまな通信が発行されていますので、校長新聞としては、それらの記事内容とかぶらないように注意しています。同時に、生徒や保護者が興味を示してくれる内容を取り上げたいと常に考えています。通信をきっかけに、家庭での会話が深まってほしいし、学校との距離が少しでも縮まればうれしいですね。 さらに、通信は事実を伝えるだけでなく、学校を取り巻く諸問題について、保護者や生徒などと一緒に考えることができるツールでもあります。実際、メディア社会と家庭での過ごし方をテーマにした記事を作成し、それを用いて、PTA役員会でグループ討議を行ったこともありますが、保護者の皆さんは真剣に議論されていました。紙面を通じて問題提起ができるのも、通信のメリットの一つだと実感しました。ーー手書きの丁寧さが感じられる紙面です。 書き損じがあれば、いちから書き直さなければならないし、見出しのレタリングなども含めて、時間が掛かるのも事実。しかし、自分なりのやり方で、校長としての考えを伝えたいと、手書きにこだわっています。紙面に掲載するイラストの一部は、生徒が美術の時間に書いた作品を使わせてもらっています。コーナーごとに記事を切り貼りする形で、全体を構成しています。ーー生徒や保護者の反応はいかがですか。 毎朝、校門であいさつ指導をしていますが、新聞を出した翌日、生徒から「校長先生、読みましたよ」と声を掛けられ・紙面のサイズ B4 判・毎号のページ数 1 ページ・モノクロ印刷・発行部数 725 部・発行間隔 月1 回・配布対象 生徒、職員、教育委員会制作データについて最優秀賞・理想教育財団賞 受賞者インタビューることもしばしば。PTA連合会の発表の場で、わが校長新聞を「本校の特色」として紹介いただいたこともありました。発行する立場としては、読者からの反応が一番励みになりますし、書き続ける上でのモチベーションにになります。ーー今後の抱負をお聞かせください。 通常、その月の上旬に、校長新聞を発行していますが、発行した途端に次のネタ探しが始まります。その意味では始終、新聞の存在が頭の中にありますが、今後も、教師を終えるまで、書き続けていきたいし、この手書きのスタイルも貫きたいと考えています。