ブックタイトル季刊理想 Vol.118

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概要

季刊理想 Vol.118

東日本本大震災被災地の学校に教育図書書・・教教材材をを寄寄贈贈の効果です。「今や、文字は『書く』よりも、ケータイやパソコンで『打つ』方が一般的。でも、手書きの字には、活字にはない、何か訴える力が伝わってくる。手で書くということはどれだけ大切なことなのか、手紙を読むたびに思い知らされます。中には、文字がじわりとにじんでしまっている便せんもある。書きながら涙を流されたのかもしれません。手紙を書いている間は、心の中で、思いを届けたい相手と密接につながっているのだと思います」頼むから店を開けてくれ! もともと横浜市で生まれ育った赤川さん。田舎暮らしに憧れて20代で旧水沢市(現奥州市)に移住、さらに広田半島を「理想の老後」暮らしの場所と定め、震災前年の2010年に「森の小舎」をオープンさせました。以来、3月から12月までカフェを経営しています。赤川さんはここで被災しました。 森の小舎は高台にあるため、直接的な被害はなかったものの、広田半島は広田湾と大野湾の両側から津波が押し寄せ、半島全体が一時、孤立状態に。しばらく支援物資が届かない日々が続きました。 震災から数日こそ、近所の漁師の方赤川勇治さん森の小舎外観の家に身を寄せていた赤川さんでしたが、やがて半島の住民に食料を届けるため、唯一の通り道だった険しい林道を伝って、自宅がある奥州市と広田半島を往復。その後、奥州市の温泉施設へのバスツアーを企画するなど、積極的に復旧活動に従事しました。震災直後は、とにかく人の役に立とうと必死だったといいます。「カフェ店なんかやっている場合ではない。もう店をたたもうかとも考えていたのですが、住民から『頼むから店を開けてくれ』と拝み倒されて再開することにしました。住民の皆さんも心底疲れ切っていたからこそ、ほっとできる場所がほしかったのでしょう」 最近は、「ここに手紙を出したことで、一歩、前に踏み出せたような気がします」と、赤川さんへの感謝を綴った手紙が届いたり、「ここなら亡くなった人に会えるかもしれない」と、遠方から森の小舎を訪ねてくれる方も出てきたといいます。「ハード面の復旧に関しては行政に任せるしかない。でも、心の復旧、復興は本人の気持ちが一番大事。それに貢献できたんだ、やった価値があったんだと実感できて、率直にうれしい。これからも、遺族の思いに寄り添いながら、活動を続けていきたいですね」8 ◆ 季刊理想 2015 冬号漂流ポストへの宛先は〒029-2208陸前高田市広田町赤坂角地159-2「森の小舎 漂流ポスト3.11」まで。