ブックタイトル季刊理想 Vol.118
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季刊理想 Vol.118
海外からのお便り●?? プラハ日本人学校長 齊藤 仁人と文化が交差する百塔の街で学 プラハ日本人学校の歴史 プラハ日本人学校は、チェコ共和国の首都プラハに位置し、小学校1年生から中学校3年生までの児童生徒約100名前後が勉強をしています。教職員は、講師も含めて教員が18名、事務など職員が5 名です。1972年に補習授業校として設立され、1980年に日本人学校として認可を受けました。かつては、20名程度の小さな学校でしたが、チェコのEU加盟で、多くの日本企業に門戸が開かれ、2008年には145名にまで膨れ上がりました。リーマンショックによって、児童生徒数は一時減少しましたが、その後現在のレベルで上下しています。小学校の3年生までの児童数が、全校のほぼ5割をしめており、学年が上がるにつれて少なくなります。日本に関わりを持つ子ども社会のセンターとして 就学前の児童の多くは、インターナショナル校や現地の幼稚園に通ったあとに日本人学校1年生に入学します。保護者の滞在期間によっては、そのままインターナショナル校に残る場合もあります。中学校卒業後の進路も保護者の滞在期間によって決まります。多くの生徒は帰国して国内の高等学校に進学しますが、プラハに残る場合はインターナショナル校に進学します。義務教育段階で2割程度の生徒が、インターナショナル校に通い、さらに上級学校には10名弱の生徒が在籍しています。こうした子どもたちへの支援を広げていきたいと考えています。また、それ以外にも、両親のいずれかがチェコの国籍を持つ子どもたちもいて、本校の子どもたちとの交流の機会があります。 プラハの歴史に学ぶチェコは、14 世紀に神聖ローマ帝国の首都としてヨーロッパの文化的中心となり、またルターよりも100年前に宗教改革に取り組みました。17世紀のハプスブルグ家との戦いに敗れ言語的文化的にも隷属の歴史を持ちながら、その苦難は文化的多様性となって今も街並みや芸術に豊かさとしてあふれている稀有な街です。本校の伝統行事「プラハウォークラリー」では、こうした歴史豊かなプラハの街を子どもたちが探索します。地図をもって市内をめぐり、旧所名跡ごとに出される課題に挑戦したり、クイズを解いたりしていきます。これには、小1から始まる「チェコ文化理解」の授業が役立ちます。また、社会科見学では、酪農家やブルタバ川から取水する浄水場、ボヘミアグラスの工場を実際に訪れて学習を深めていきます。 現地校との交流 チェコの公立の基礎学校(日本の小中学校にあたる)や私立の国際学校との交流を行っています。現地理解の最大の壁は、チェコ語です。スラブ語圏の言葉は、あまり日本人になじみがなく、発音の難しい音もいくつかあります。本校では、ホスト国の言語として敬意を表し、少しでも子どもたちにコミュニケーションで使ってほしいと考えリディツェ平和祈念式典国際子どもフェスティバルプラハウォークラリーヤングプラハの演奏会20 ◆ 季刊理想 2015 冬号