ブックタイトル季刊理想 Vol.118
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季刊理想 Vol.118
ぶています。でも、やはり英語はコミュニケーションツールとして役立ちますので、すべての学年で英会話を週2時間勉強します。また、中学部の先生を交換して授業を行ったり、現地校と本校の生徒が同じ教科の授業を受けたりしています。 音楽や踊りがあふれる街 毎年開催される若手演奏家のための音楽祭「ヤングプラハ」が、本校でも一会場として開催されます。世界で活躍する才能ある若手演奏家の奏でる音楽に子どもたちは引き込まれていきます。子ども国際フェスティバル、リディツェ平和祈念式典や地域行事(「欧州隣人の日」や「夏を惜しむ会」など)には、小学生から中学生が日本の合唱や演奏、踊り、和太鼓を披露します。 先生と子ども、子どもどうしのつながり 本校を訪れるチェコの現地校の先生に羨ましがられるのは、1クラスあたりの児童生徒数の少なさです。最も多いクラスで16名、少ないクラスでは4名ですから、当然のことです。少人数ですので、先生の目が行き届きすぎて、子どもたちは息つく暇もなく学習に励むことになります。また、9学年の児童生徒が学校の中でいっしょに活動することもたくさんあります。運動会や学習発表会などの行事では、中学生が小学生の面倒を見たり、お手伝いをしたりするのは当たり前です。こうした異年齢による活動は、子どもたちにとっても大変印象深い思い出になっています。 グローバル人材をめざして 在外教育施設で学べば、自然にグローバルな人材になるわけではありません。海外という環境の中で子どもたちは苦労しながら異文化に学び、異文化に適応しながら成長していきます。そこで大切な能力は、国内以上に考える力や判断する力、そして表現する力です。これらの力を、他者との関りの中で育てていくことで、グローバル人材の基礎が育っていくと考えています。本校では、日本人やチェコ人にかかわりなく、「学びあう」授業をめざしています。 また、異文化交流の時に、相手のことが理解できなかったり、自分の考えをうまく伝えられなかったりしたときに、それを克服する技能や態度も必要です。私たちは、これを「異文化ステラトジー」と呼んでいます。実は、この力を身につけるのはたやすいことではありません。教師自身も苦しみますが、だからこそ教師自らが良きモデルとならねばと思っています。 海外で生活すると、『人はお互いを理解しあえるのだろか』という根源的な問いにぶつかります。チェコという国の豊かさを享受する中で、子どもたちがこの問いに「アノ」(チェコ語で「はい」)といきいきと答えられるよう、すべての教職員が全力で子どもたちの教育に取り組んでいるところです。校舎全景学習発表会での一幕現地校との理科の合同授業グランドを借りて運動会季刊理想 2015 冬号 ◆ 19