ブックタイトル季刊理想 Vol.118
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季刊理想 Vol.118
東日本大震災・被災校のいま⑧「学校だよりなどの通信類は、望もうが望むまいが、生徒を経由して保護者の手に渡るもの。でも、ブログの場合、保護者が自らクリックしないと見られない。自分から情報を得ようとすることで、少しずつ学校に関心を持つ保護者が増えてくればと考えました。実際、反響はすごいですよ。少しでも更新しない日があると、『どうしたのですか?』と保護者から催促のメールが来るんです」新しい「トライ」を積み重ねて こうした自主性や主体性を重んじる金先生の姿勢は、教員指導にも貫かれています。「一般的に朝会などで上司が『こうしなさい、ああしなさい』と一方的に指示しても、教職員は意欲的に動くものではないですよね。それよりも、自分の考えを紙にまとめて伝えたりすることで、教員も自分たちで考えて、主体的に行動してくれるのではないかと考えています。職員会議でも私の考えをまとめたペーパーを配布していますし、ブログもそのためのツールの一つ。教師も目にすることを想定して、教育に対する私の考え方を折に触れて発信しています」 最後に、今後の展望についてお聞きすると、「教育にはこれをやればみんなが元気になる、意欲的になるというような万能の方法はありません。だからこそ、試行錯誤しながら、新しいことに『トライ』していく姿勢が大事。今後も学校として、一教員として、折々の教育課題に対応しながら、さまざまな試みにトライし続けていきたい」とお話しになりました。ともに、「その証拠として、ぜひお見せしたい」と案内されたのがこの音楽室での授業風景でした。 「黒潮魂~明るく・賢く・逞しく~」をモットーに、授業に限らず何事も前向きに一生懸命が大船渡中の生徒の基本姿勢。特に、ふるさと教育の一環として、毎年地域の方が指導する、町の伝統行事(学区ごとに4つの伝統芸能を割り振り)の練習、継承には、7割以上の生徒が主体的に参加しています。「練習は毎日部活動が終わる6時ごろから。みんな握り飯持参で8回から9回ほど練習して、10月下旬の文化祭の発表に備えます。こうした活動を通じて、地域への誇り、愛着をはぐくむとともに、大人とのかかわりなども学んでいきます」ブログ発信で保護者との距離を縮める金先生が同校の校長に就任してから、学校を地域に開く一環として、欠かさずに行っているのがブログ「校長室の窓」(http://www.schoolweb.ne.jp/ofunato/ofunato-j/)による情報発信です。「目的は、保護者に学校への関心を持ってもらうこと。そして、保護者と学校の距離を少しでも縮めること。そのためには、今、学校で何が起きているのかをタイムリーに伝えることが必要と考えました。さらに、日常の言葉で学校の様子や私の考えを本音ベースで伝えることも重視しています。固い内容は自分には合わないし、何より保護者としても読んでいてつまらないでしょう」 同校では従来から紙ベースの学校だよりも発行。これと並行してブログ形式での情報提供を導入したのにはある理由があります。運動会の様子。競技、応援に力が入る季刊理想 2015 冬号 ◆ 15