ブックタイトル季刊理想 Vol.118
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季刊理想 Vol.118
12 ◆ 季刊理想 2015 冬号●今回のポイント●①活用の目的・ 言語活動の一つとして取り入れ、表現力を高める。・学習を通して考えたことを、分かりやすく伝える記述 や見出しなど構成の工夫をすることで要約力をつける。・「情報発信する」という目的意識を持たせることによ り、意欲を高める。②評価の規準・ 学習した内容だけでなく、学習を通して何を考えたか の記述があるか。・ 本文の内容を要約した見出しになっているか。・ 写真の配置、色づかいの工夫などにより魅力ある紙面 構成になっているか。③活用の機会・ 島の魅力の発信・ ジオ学習(環境問題、自然、地域産業、伝統文化、 高齢 者問題、障害者問題)のまとめ腕前も書くスピードも向上 以来、姫島中学校では各種ジオ学習を展開するごとに、はがき新聞を制作。最終的に年間14枚ものはがき新聞を作成する計画です。取材当日も、県立美術館の学芸員を講師に招いた体験学習「ジオミュージアム」のまとめとして、担当教員の指導のもと、各学年ではがき新聞の制作が行われていました。 中元教育長が「枚数を重ねるほど、どんどんうまくなっている」と評するように、生徒たちの腕前もメキメキと上達しているよう。書くスピードも上がり、30分もあれば1枚を完成させるといいます。 実践を重ねている生徒たちからは「少しでも姫島のことを知ってもらいたい。はがき新聞がフェリー乗り場に掲示されると知ってうれしかった」「書くことを通じて、改めて島の魅力をより深く学ぶことができた」「友だちの作品を参考にして、次の実践に生かしている」「伝えたいことが多すぎて、短くまとめるのが大変」などの感想が聞かれました。 今後の展望についてお聞きすると、上原校長先生は「今後は教科のまとめなど、実践の機会を増やしたい」と語るほか、中元教育長は「ふるさと姫島で生まれ育ったことに誇りを持たせることが私たちの目標の一つ。その実現に向けて伝統文化の継承としてふるさと教室を展開していますが、並行してはがき新聞もこれまで以上に効果的に活用できれば」と話されました。全校生徒の作品は、フェリー乗り場の待合室に掲示メンバーによる新聞づくりを進めてきましたが、はがき新聞は1人1枚が基本。協働学習とは一味違うやりがい、楽しさがあります。生徒たちもはがき新聞にまとめることで、島のよさをどのように生かすべきか、考える機会になっていると思います」 つくった作品は、校内の廊下だけでなく、島内で最も多くの人の目に触れる、姫島港フェリー乗り場の待合所にも掲示。気に入った作品は見た人が自由に持ち帰ることができるよう、掲示ポケットには複数枚ストックしています。上原校長先生は「作品は1枚1枚個性があって、島民の息遣いやぬくもりが感じられるものばかり。持ち帰る人の中には切手を貼って、絵葉書として利用される方もいるようです」。さらに、中元一郎姫島村教育委員会教育長も「これまで配布されたはがき新聞は約2000枚。教育面の効果にとどまらず、村の活性化においても大きな力になっています。色もカラフルですから、目を引きますね」中元 一郎教育長はがき新聞の作成に取り組む生徒たち海を越える蝶「アサギマダラ」の休息地 姫島は1000km以上もの長距離を移動する蝶「アサギマダラ」の国内最大の中継地。5月上旬から6月上旬にかけては南方から、10月中頃には北方から飛来します。油性ペンで羽に日付や場所などを記入する「マーキング」によって、南は与那国島、北は北海道上ノ国町まで飛来していることが確認されています。島では「アサギマダラを守る会」が、アサギマダラが好むスナビキソウやフジバカマの自生地保護や移動の調査などを行っています。同会顧問の中城信三郎さんの手により「RISO 0.1」とマーキング会長の大海 重好さん