読まれる通信づくりのヒント【第1回】レイアウト編
「読みやすい」「わかりやすい」紙面をどうしたらつくれるか

『育て!プリントコミュニケーション』コンクールの優秀作品には、共通した「読みやすさ」が見られます。その共通点から、読みやすい通信、理解されやすい通信をつくるにはどうしたらよいか、レイアウト、文章構成の両面から、シリーズで考えます。第1回は「レイアウト」全般の留意点です。

すっきり感を出すためには
通信を手に取ったとき、「読みやすいな」と感じるケースの共通点は、まず紙面のレイアウトがすっきりしていることです。このすっきり感には、

【A】 記事に見出しがある。見出しの大きさや書体の違いなどで、記事の重要性の順位がひと目でわかる。

【B】 長い記事には小見出しが入っている。全文を読まなくとも、見出しや小見出しで内容がほぼ理解できる。

【C】 一行の長さ(文字数)が適当で、容易に文章を追うことができる。

【D】 余白やラインによって、それぞれの記事のかたまりがひと目でわかる。

【E】 囲み記事や写真、イラストが効果的に使われて、紙面に変化がある。

などの要素があります。

記事も文字も詰め込みすぎず
【A】【B】の見出し、小見出しは、読みやすさ、理解されやすさの基本です。読者は記事のすべてを読むわけではありません。「見ただけで、ある程度、内容を理解して貰う」姿勢で、見せ方に工夫をする必要があります。

【C】の一行の文字数への配慮は、一般に最も欠けている傾向があります。文章を容易に追えないほど長いケースもあります。一行は20字前後で構成する配慮が必要でしょう。

【D】【E】は読者を混乱させない配慮です。隣の記事との境界がわからない記事は、読者に苛立ちや苦痛を感じさせます。

全体に記事を隙間なく詰め込むことはせず、適度な余白をつくることは大切な配慮です。そのためには、まず採り上げる記事を吟味し、選択することが大切になります。

このほか、書体(明朝体、ゴチック体など)の選択も読みやすさと大きく関連します。好みもありますから、いろいろと試してみることも必要でしょう。また、通信はファイルして残すことが多いので、右または左側には綴じ込みの穴をつくれるスペースを忘れずに。

身につけておきたい「紙面レイアウト7つのコツ」
*ここではA4の学級通信のモデルを紹介しています


レイアウト表

 

①見出し
記事を通していちばん伝えたいポイントを、見出しとして訴える。
長い記事にはさらに小見出しを入れる。

②タイトルまわり
通信名の近くに、発行年月日・発行人・発行号数などを入れる。

③写真・イラスト
写真やイラストは紙面を生かすアクセント。
写真を複数入れる場合、すべてを同じ大きさにせず、変化をつける。

*出来ればキャプション(簡単な説明)をつける。

④一行の文字数
記事の全体の長さ、一つの文章の長さに配慮する。
特に、一行の文字数が長いレイアウトは、読みにくい。各行の文字数に配慮を。

⑤記事の境界
記事と記事がくっついて境界がわからないと読みにくい。
ラインで仕切ったり、余白をつくったりして、一つの記事のかたまりを明らかにする。
*ファイリングのためにも周囲に十分な余白をとることは大切。

⑥表・グラフ
統計などを説明する際に、数字を文章に折込むよりは、データを表やグラフにすると、ひと目で理解されやすい。

⑦囲み記事、吹き出し
エピソードや、注意を引きたい記事は囲みにして、紙面に変化をつける。 また吹き出しをつくって記事のポイントを見せると、アクセントにもなり、理解されやすい。


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