ブックタイトル季刊理想 Vol.129

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概要

季刊理想 Vol.129

基調提案 深い学びにたどり着くための答えは、目の前にいる子どもたちの中にある、と浅見先生はおっしゃいましたが、まさに目の前の子どもたち(学級)の実態を客観的に把握し、具体的な課題解決に結び付ける取り組みが、学級力向上プロジェクトです。 道徳科を要としながら、教育活動全体を通じて行う「道徳教育」。そして、さまざまな集団活動に取り組む「特別活動」。この両者をつなぐのが学級づくりの視点です。その観点から、私たち学級力向上プロジェクト関西部会では、「自分ごととしてとらえる道徳」「みんなごととしてとらえる道徳」「学級の独自性を生かす道徳」をキーワードに、これまで実践してきた学級づくりの視点を生かしながら、積極的に道徳科の授業研究を進めています。実践事例①尼崎市立立花小学校 宇都 亨先生 私が受け持つ4年生では、「花さき山」を教材学級づくりの視点を重視した道徳教育 ―学級力を高めるはがき新聞の  活用を通して―シンポジウム道徳科における授業づくりと評価のあり方■コーディネーター早稲田大学教職大学院教授 田中 博之先生小学校における道徳科の授業づくり シンポジウムの1つ目の議題は、道徳科における授業づくりです。コーディネーターの田中先生から、そのポイントについて問われた坂本先生は、まず、道徳科の学習内容として、「道徳的諸価値の理解」「自己の生き方についての考え」「自己を見つめ、多面的・多角的に考える」の3種類を設定することの有効性を示しました。続いて、容易に取り組める学習方法として、内容項目の内容(相互理解か寛容かなど)、内容項目同士(善悪の判断と規則の尊重など)などを「分けて比べる」授業づくりについても、実際の授業例を基に、分かりやすく提示しました。 次に蛯谷先生から、「教科書教材を活用した主体的・対話的で深い学び」の道徳科の授業づくりについて、実践した道徳ワークショップ(2時間)の事例紹介がありました。蛯谷先生は、イメージマップなど、各種ツールを用いながら、活発なグループワークを行ったこと、さらには教材で学んだことを児童が日常においても「自分に関係すること」として考えられるような2時間目の授業を構想することで議論が深まることを示し、児童が道徳科で学習したことを実際生活場面で生かし、より深く考えることにつながるための授業づくりの工夫を提案しました。中学校での道徳科の実践の工夫 中学校の事例として、彦田先生から、道徳ワークショップ「心の関係図づくり」の実践例が紹介されました。同ワークショップは「本当の友達とは」をテーマに、イメージマップで自分の考えを整理し、班の中で意見発表を行った後、心の関係図をつくり、代表者が発表する、という1時間の授業。彦田先生は、授業の流れを紹介するとともに、道徳科の価値項目を表す18枚の真心カードが、心の関係図をつくる上で有効に機能し、主体的・対話的で深い学びにつなげることができたことを強調しました。 生徒の興味・関心を喚起するため、自身の体験を基にした自己資料を活用して、2時間構成の授業を展開したのが山田先生です。授業の中身は、好意を持ってくれた相手(異性)に対して、思いやりのある言葉を手紙形式ではがき新聞にまとめ、それを班の中で読み合い、良い表現を付箋に書いて、本人のシート提案者桃山学院教育大学教育学部 准教授 今宮 信吾先生季刊理想 2018秋号 ◆ 56