ブックタイトル季刊理想 Vol.128

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概要

季刊理想 Vol.128

「学級通信」は私にとって欠かせないパートナー。子どもたちが過ごしやすい学級づくりの一助に●廿日市市立宮島小学校 吉川尚子先生ーー 2 年連続「部門別優秀賞」に続いての最優秀賞のご受賞です。  まずはご感想をお願いします。 学級通信を毎日作成する先輩教員に触発されて、新規採用の時代から20 年以上発行し続けてきました。 正直、私がつくる学級通信のスタイルは確立されていて、これ以上、上積みできるものはないかな、という思いがありましたから、今回は「最後の挑戦」の気持ちで応募しました。ですから、受賞のご連絡をいただいて、感動もひとしおです。教員を目指す娘たちからも「おめでとう」という言葉をもらいました。――忙しい中で毎年、発行し続けられて、苦労もおありだったのでは? 学級通信は書くこと自体が目的ではありません。自分の教育の姿勢や取り組みを見直して、その後の学級経営に生かしたり、子どもたちの活躍や成長の様子を保護者に伝え、その喜びを共に分かち合うための手段だと考えていますから、通信の発行にやりがいは感じても、苦労は感じませんでした。むしろ、楽しく書いています。 高学年ともなると、学校の様子を家庭で話さなくなる男子児童も少なくありませんが、保護者からも「通信のおかげで家での会話が増えました」という声が寄せられ、とても嬉しく思っています。――通信をつくる上で留意していることは? 子どもの声をそのまま伝えたい、子ども目線で見た学校の様子を飾ることなくご家庭に届けたい、との思いから、最近は子どもたちの日記や作文を数多く掲載するようにしています。同時に、掲載が特定の子どもに集中しないように、まんべんなく取り上げるようにしています。子どもたちも自分の作文がみんなの目に触れることが嬉しいようで、日頃から熱心に文章を書く子どもが増えました。――手書きの紙面に温かみを感じます。 ワープロ打ちだと、誰が作っても同じようなテイストになってしまう気がします。その反面、手書きは自分自身でもまったく同じものは書けない、一回限りのものです。毎年、受け持つ子どもたちも変わりますが、目の前にいる児童や保護者の皆さんへ思いを込めて、自分ならではの温かみのある通信をつくろうと、あえて手書きにこだわっています。 ほかにこだわっているものといえば「題字」です。学級開きの前に、受け持つ子どもたちの姿や目指したい学級像を思い浮かべながら決定するとともに、その字体やデザインも時間をかけて自ら考案・作成しています。――今後の目標をお聞かせください。 私にとって通信は、よりよい学級経営を行うために欠かせないパートナー。切っても切り離せない存在です。これからも、通信を作成し続けながら、子どもたちが過ごしやすい学級づくりに力を尽くしていきたいと考えています。・紙面のサイズ B4判・毎号のページ数 1ページ(時々裏面あり)・モノクロ印刷・発行部数 30 部・発行間隔 週1回・配布対象 保護者(児童)、管理職、専科制作データについて最優秀賞・理想教育財団賞 受賞者インタビュ―6 ◆ 季刊理想 2018 夏号