ブックタイトル季刊理想 Vol.128

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概要

季刊理想 Vol.128

18 ◆ 季刊理想 2018 夏号 学級力向上プロジェクト実践校紹介 ?  同校が課題設定と同時に力を入れているのが「対話型授業」の推進で、特にコミュニケーションの促進に向けて「質問力」を重視しています。昨年度まで研究主任を務めた小林正幸先生が「どのような質問をすると、話題が共有され、互いの考えが広がったり、深まったりするのかを子どもたちに考えさせることが大事」と話すように、同校では、状況に応じた適切な質問の仕方をまとめた「質問の技カード」や、質問力を自ら判断できる「検定シート」を作成・活用。さらに、対話的な学びへと子どもを導くために、ICT機器、コミュニティボードなど、多様な情報処理ツールも積極的に活用しています。「学級力向上プロジェクトも、普段の授業の延長線上にある取り組み。 全学年共通の授業方法がしっかり校内に浸透しているので、教師も子どもたちも無理なく実践できています。たとえ1年生でも教師の適切な導きがあれば、子どもたちは活発に話し合い活動を行います」(樫原先生)学校目標の策定にも活用したい  全校を挙げて、学級力向上プロジェクトを実施してから1年が経過。市村校長先生は「この間、子ども同士の関係性がより良いものになり、喧嘩や言い争いなどのトラブルも目に見えて減りました。さらに、掃除や挨拶を熱心に行う子どもたちも増えています。その様子が保護者や地域の方々にも伝わったのでしょう、学校評価アンケートの数値も向上してきました。子どもの姿を通して、学校を好意的に見てくださる方々が増えてきました」と、プロジェクトの成果を話します。一方、樫原先生は、「一連の授業や学級力の取り組みを通して、コミュニケーションが活発になり、学級のまとまり、つながりが強くなりました」と語ります。  最後に、今後の抱負を問うと「学級力アンケートの調査結果は、子どもたちに獲得させたい資質・能力を決める際の根拠になる基礎資料の一つ。より子どもたちの実態に基づいた目標とするためにも、今後は、学級目標のみならず、学校教育目標を定める際にも学級力アンケートの活用を検討したい」と市村校長先生は話しました。樫原 貴博先生 はがき新聞も活発に  同校では授業や活動を行った後に、学習の「目当て」が達成できたかを振り返る機会として、「はがき新聞」を積極的に活用しています。「分量もちょうどよく、短時間で書くことができるのも利点の一つ。実践するほどに、子どもたちの書くスピードも上がってくるので、授業にも使いやすい。年間20枚以上も書くクラスもあります」(小林先生)。「発信、交流がしやすい点がメリット。はがき新聞の記述内容を通じて友だちの考えを理解したり、言葉を交わしたりすることで、より良い人間関係の形成にもつながっています」(樫原先生)。活発にディスカッションする子どもたち学級目標づくりの授業後に作成したはがき新聞(いずれも6年生)