ブックタイトル季刊理想 Vol.126

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概要

季刊理想 Vol.126

わが校自慢【略歴】昭和34年(1959年)生まれ(現58歳)。奈良市中学校美術科教員として勤務。平成24年より奈良市立登美ヶ丘中学校教頭として赴任。平成26年より奈良市立平城西中学校教頭として赴任。平成27年より奈良市田原小中学校校長として赴任。平成28年に、第76回全国教育美術展・全国審査員を務めた。す。立ち位置が違えば、見方も多面的になります。後期ブロックの先輩はみんなのあこがれの存在、学校の守護者、大人の雰囲気です。また、小学校と中学校の授業時間に差があるためチャイムが鳴りません。茶山が見える校庭に雲が漂うなど、静かな時間が流れ、安心して過ごせる学校です。「わが校自慢」3キャリア教育のススメ総合「なら」や、生活科では、子どもたちは地域の懐で、様々な学習や体験活動をしています。地域には江戸時代より続く麻布店、竹墨窯、りんご園やお茶屋、田原山里博物館などがあります。また、古くから良質のお茶の栽培がさかんに行われていることから、茶道体験、茶工場見学、茶の栽培学習や刈り取りなどの地域学習を行ってきました。そして6、7年では起業家プログラムに挑戦して田原の地域活性化を目指し、商品開発を行っています。経済や流通のしくみ、商品デザインや販売について地域の方や専門家に話を聞きながら、アイデアを出し合いみんなで考えました。地域の方の前でプレゼンテーションを行い、投票と講評をいただき、アイデアを煮詰め、子どもらしい発想と地域性を生かした「三種の神茶」ができあがりました。教科書のない学習です。商品に入れるポストカードを作るために、プロからお借りしたカメラを担いで朝から撮影するなど、仕事グループに分かれて取り組みました。実際に商品ができあがるまでに7ヶ月を要しましたが、3月末に初めて奈良市内の商店街や、田原やま里市場などに商品が並んだ時には感激しました。お茶の栽培を生業にしている家庭も多く、生活に息づく仕事の中から商品ができあがったことで、大きな自信と誇りを持つことができました。地域からも好評です。「わが校自慢」4コミュニティスクールの取り組み平成27年にコミュニティスクールの指定を受けた学校運営協議会が中心となって、学校の教育活動を支えています。幼稚園跡地を利用した「どんごが丘コミュニティ広場」では育友会や放課後子ども教室、学童保育や公民館などが利用しています。また伝統の継承も行い、保存会の手ほどきを受け、「祭文踊り」を毎年運動会で行っています。学校の環境美化作業や花苗植え、英会話など授業の補助、行事や参観のお手伝い、昔遊び等々地域ボランティアの活動も活発です。どの地域でも少子高齢化が問題となっていますが、子どもたちの笑い声が響く学校で、地域の方々も教職員も元気をもらっています。田原の地にきらりと光る子どもたちの成長をコミュニティスクールが全力でサポートしています。松元由美子校長先生4月に行われた「1年生を迎える会」の様子運動会で祭文の唄いを披露(4年生)京都大原学院と合同で行った世界遺産学習(5年生)全校遠足の様子。上級生は下級生を優しくサポート地域活性化に向けて商品開発にも取り組んだ(6、7年生)第4回奈良市田原小中学校松元由美子校長先生14◆季刊理想2017冬号