ブックタイトル季刊理想 Vol.125

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概要

季刊理想 Vol.125

 8月6日、東京・有楽町朝日ホールにて、平成29年度はがき新聞研究会(関東・関西合同会議)として、「語彙力向上に向けた授業の取り組みについて~言葉ノートの活用を通して~」と題するミニフォーラムが開催されました。先生方による提案や質問、言葉に関するワークショップなども交えながら、金田一秀穂・杏林大学外国語学部教授、森山卓郎・早稲田大学文学学術院教授、矢吹正徳・日本教育新聞社取締役編集局長による鼎談が行われました。ここではその模様をご紹介します。(本文中の役職名・敬称は省略しています)「聞く、話す」教育も大事矢吹 語彙力の向上は小学校や中学校だけでなく、高校においても大きな課題です。ところで、金田一先生は話し言葉と、書き言葉で求められる語彙力は異なるというお考えをお持ちですね。金田一 基本的に文字言語の教育、つまり「読み書き」教育は盛んに行われていますが、音声言語の教育、すなわち「聞く、話す」教育は今一つです。例えば、子どもが「私の夢はモデルになりたいです」といったら、教師はすぐに文のねじれを指摘して、「私の夢はモデルになることです」と言い換えさせます。でも、本来、話し言葉は、もっと自由でいいと思うんです。森山 まず大事にすべきは、生き生きと伝え合うことの喜びですね。金田一 あまり押さえつけるものだから、日本人は話すことが苦手になる。自分の気持ちに沿う言葉、自分が一番言いたいことを表現できる言葉が最高の言葉ですから、例えば方言などもどんどん使うべきだと思います。問われるのは教師の語彙力矢吹 国語科の次期学習指導要領を見ると、小学校段階においても、語彙力について言及があります。文部科学省でも語彙力を重視し語彙力向上を目的としたミニフォーラムを開催「質」と「量」の両面から、語彙力を高める授業のあり方を考える季刊理想 2017 秋号 ◆ 7