ブックタイトル季刊理想 Vol.118

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概要

季刊理想 Vol.118

 文部科学省「平成26年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)」によると、電子黒板や実物投影機などのICT機器は年々増加の一途をたどっている。特に、タブレット端末については、15万6356 台となり、昨年度の2倍以上になった(図1)。一方、同調査では、ICT活用指導力において、「児童のICT活用を指導する能力」は5項目中最低だった(図2)。つまり教師自身が提示などの活用場面等より児童生徒がタブレット端末等の活用を指導することは苦手であると推測できる。このような中、導入が進んでいるタブレット端末はじめ、ICTはどのような学習に寄与できるかに関して、あらためて考えていきたい。(1)協働の学びの実現 ICTは、個別学習で使うだけでなく、ペアやグループで、資料を拡大したり書き込みしたりしながら議論する、リーフレットなどの成果物を制作するなどの学習活動にも役にたつ。さらにそれらをクラス全体で共有したり、場合によってはグループ間で意見の根拠になるデータを送り合ったりすることもできる。このように、比較や分類・整理し、思考の可視化に寄与できる。 また、タブレット端末で書き込むものが紙の教科書やノートと決定的にちがうのは、「半オープンである」ということだ。教師も「じゃぁ◯◯さんが書いているものを見てみようか?」と電子黒板やプロジェクターに転送・提示してしまう。つまり、情報共有が前提で使われる、ということだ。これが紙のノートだと、自分のものを見せるには、もっと抵抗感があるのではないかと思う。この半オープンであることをうまく授業に活かしながら協働の学びを実現していってほしい。放送大学 教育支援センター 教授 博士(情報学) 中川 一史先生ット端末導入を見据えたにおけるICT活用の重要性図2 図1季刊理想 2015 冬号 ◆ 5