ネパールへ教育支援事業を実施

現地で寄贈式を開催

 北海道のおよそ1.8倍の面積に、約2800万人が暮らすネパール連邦民主共和国。「初等教育」(小学校5年、中学校3年)「中等教育」(前期中等教育2年、後期中等教育2年)、「高等教育」(大学学士コース以上)という独自の教育体制を敷いています。都市部と地方との経済・教育格差が指摘される一方で、ヒンズー教と仏教がうまく調和を図った、独自の文化体系を持った国としても知られます。また、国内に産業が少ないこともあり、日本にも多くのネパール人が暮らしているほか、両国には地震多発国という共通点もあります。

 理想教育財団では、このネパールの学校・図書館へ児童図書・教材を寄贈する「教育支援事業」を、2016年度から実施しています。支援方法は、事前に寄贈先の希望も聞いた上で図書・教材を準備。現地の協力者と連携し、調達・配送を行うというものです。

 2016年12月30日、理想教育財団では、斎藤靖美専務理事、酒井純司顧問、森山卓郎先生(早稲田大学文学学術院教授)、バイラ・ビレンドラ先生(東洋大学助教)が現地を訪れた上で、実施先に対する寄贈式を行いました。会場となったカトマンドゥ近郊のバネパ市内のホールには、寄贈先の関係者をはじめ、ネパール政府産業省副大臣のカンチャン・チャンドラ氏も出席されました。

 寄贈式では斎藤靖美専務理事が「私たちは学校・家庭・地域のコミュニケーションを大事にしてきました。今後日本とネパールのより良い関係もサポートしていきます」と挨拶。酒井顧問からも「今年はネパールと日本の国交樹立60周年の記念すべき年。私たちの活動がネパールの子どもたちの教育に貢献できれば大変うれしく思います」との言葉がありました。その後、ネパール政府産業省副大臣カンチャン・チャンドラ氏から「理想教育財団の教育支援に大変感謝したい」との祝辞がありました。

 寄贈式後は同じ会場で、バネパ市とその周辺の幼稚園の先生方・保護者のための日本式教育のモデル授業が、ひかり幼稚園園児を対象に行われました。講師を務めたのは、幼稚園長の経験のある森山先生。まずは森山先生の指導で、紙でヘリコプーをつくったり、折り紙でかえるを作成する体験授業を実施。子どもたちはつくったヘリコプターを空中に飛ばしたり、作成したかえるを持ちながら、「かえるの歌」を大きな声で歌うなど、元気いっぱいでした。  また、2チームに別れてのしっぽ取りゲーム、前転やスキップ、片足跳びなどを取り入れた忍者ごっこなど、身体を存分に使った授業も行いました。

寄贈先の教育機関も訪問

 寄贈式に先立ち、教材・図書の寄贈先に選定した教育機関を訪問しました。約60人が学ぶカトマンドゥ補習授業校では、当財団事業の「はがき新聞づくり」を紹介。外国で暮らす子どもたちの作文力の向上は現地でも重要な課題とのことで、「大変面白い取り組み」との評価を受けました。

 次に、2001年、日本の情報労連大阪地区協議会が設立したネパール・日本子ども図書館を訪問。設立時から館長を務めるサパナさんからは「日本のよい図書をネパール語に翻訳したいが、そのためには人材や経費が必要。図書館運営は資金的にも余裕がないため、今後も継続的な支援がほしい」との要望がありました。

 さらに、2001年に開園以来、日本式の授業法と運営の仕組みを導入し、市のモデル校に位置付けられている「バネパひかり幼稚園」も訪問。各教室には、当財団からの支援による図書と専用の本棚が設置。いつでも身近な図書・絵本が見られるようになっていました。

 ネパールへの教育支援事業は3カ年計画で実施。今後も継続的に支援を行っていく予定です。

民族衣装で歓迎セレモニー。

記念品として髙橋里江先生の「書」の作品を贈呈

寄贈式後の記念写真

森山先生によるモデル授業

ネパール・日本子ども図書館の様子

館長のサパナさんと子どもたち

バネパひかり幼稚園の子どもたち

カトマンドゥ補習授業校図書室